1発目の放球は30kmまでのオゾンプロファイルが取れました。しかし、2発目は17kmくらいまでしか上がらず、オゾン濃度のピーク層を見ることができませんでした。3発目もまた17km辺りで落ちてしまい、十分なデータ取得ができませんでした。
どうやら、きちんとしたデータが取得できる様に対策を練る必要がありそうです。そこで、GODIの観測技術員や研究者の方と相談し、作戦を立て直しました。バルーンに入れるヘリウム量を減らしたり、バルーンとパラシュートとオゾンセンサの結び方を変えたり,オゾンセンサとパラシュートをつなぐ糸の長さを変えるなどした結果、4回目以降は十分なデータの取得に成功しました。
このように、船の上では試行錯誤の連続です。
観測に失敗はつきものですが、そのたびに原因究明を必ず行い、良いデータを取得できるように対策をとる必要があります。
北極海での定点観測中、2日ごとに10発のオゾンゾンデを上げ、そのうち7つは高度約30kmまでのデータ取得に成功しました。
十分なオゾンのプロファイルが得られたので、解析に使えるデータを得ることが出来ました。船内では確認できる情報が限られていますが、日本に帰ってから他の衛星や気象データと合わせて解析を進めたいと思います。
今回は北極海での放球でしたが、数年後には砕氷船上や南極で放球しているかもしれません。