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北緯66.5度以北。夏には日が沈まない白夜と、冬には日が差さない極夜が存在する領域は「北極圏」と呼ばれ、海氷に覆われた北極海を中心として地球の気候システムにおいて常に熱せられる熱帯と対極にある存在です。

wacs人を寄せ付けない厳しい自然が広がる北極ですが、いまこの領域には巨大な変化が起こりつつあります。その変化の激しさは北極のみならず、その周囲にある日本を含む中緯度、ひいては世界全体の気候の未来を左右しかねません。

まず、いま懸念されている大気の温暖化は北極において最も早く進行することが知られており、その傾向はデータからも明らかになりつつあります。

こうした温暖化は北極の海洋そして海氷にもみられ、夏の北極の海氷の面積は年々小さくなる一方です。 こうした北極の温暖化が影響して、日本の冬には強い寒気がやってくるという研究成果もあり、北極の変化は世界的にも、そして日本の生活にも直結した重要な問題なのです。

また、北極の海氷面積の今後によっては、欧州への距離を縮める「北極航路」の利用が可能になることも予想されており、自然災害および経済的側面からも我が国の国益に長期にわたって影響をおよぼす存在であることも近年注目されています。mokuteki1

はげしい変化をみせる北極の気候ですが、人が住む地域から遠くはなれているために、その研究は容易ではありません。本ブログでは、独立行政法人・海洋研究開発機構と国立極地研究所の研究者チームによる独自の北極海観測の様子、及びデータ解析研究の最新の知見を公開することで、北極地域における最新の知見を広く伝えることを目的としています。