海洋地球研究船「みらい」について

海洋地球研究船「みらい」の前身は、日本初の原子力船としてしられる「むつ」です。原子炉を撤去し、ディーゼル機関に入れ替えられ、「みらい」と名付けられて生まれ変わったこの船は、気象・海洋のさまざまな観測を行うための設備が充実しており、優れた耐氷性と航行性能を誇ります。

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北極において活動する海外の研究船の多くがいわゆる「砕氷船」であり、氷のなかでも航行することが可能なのに対し、「みらい」は「耐氷船」であり、氷の中での活動はできません。 しかし、このことがかえって「みらい」を国際的な観測研究においては特色のある存在にしています。他の国の船が行かない洋上での観測は海洋物理や海洋化学における多くの新発見につながるとともに、強まる北極低気圧を洋上で捉えるのに最適な船としています。 「みらい」には他国の砕氷船には存在しない大型の観測装置も存在しています。特にドップラレーダーの存在は、北極における低気圧の詳細な構造を調べる手段として活用されています。

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耐氷船である「みらい」が北極で活動できるのは、海氷が後退する夏のほんの限られた時期です。この短いチャンスを狙い、「みらい」は青森県関根浜から通常8月の中旬に出港し、アリューシャン列島に存在するダッチハーバーへの寄稿を経てベーリング海峡を通過。海氷面積が最少となる9月にチュクチ・ボーフォート海において観測活動を行います。