オゾン観測のシリーズからいったん離れて、今回は北極での観測の困難について、総研大の三井さんがリポートしてくれます。三井さんは今回で北極は二度目。経験も身につけてきたと思いますが、いかがでしょう?

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今回は、どんな装備で気象観測を行っているかについてです。これまで、ラジオゾンデやオゾンゾンデといった、気象観測についての話題が掲載されてきました。今回は、それら気象観測を行う上でのバックグラウンド的な内容となっております。

装備について、ポイントは以下の2点です。

  1. 寒い北極海での観測ということ
  2. 船上での観測ということ

まずは、写真をご覧ください。
重装備で、大変動き辛そうですね。
実際動き辛いです。

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装備は上から、ヘルメット・フェイスガード・手袋・防寒着・安全靴

これら装備の重さは合計5kgオーバーでした。肩が凝るのも納得です。

1. 寒い北極海での観測ということ

当然ですが、寒い、とにかく寒い。観測は屋外での作業が長時間に及ぶこともあります。
現在の気温は-2〜-3度程度です。しかし北極海上では強風に見舞われることも多く、体感温度はグッと下がります。
そのため、なるべく肌が露出しないようにしなくてはなりません。
体の芯から冷え、鼻水が止まらなくなることも・・・

船上での観測ということ

船上(デッキ)での作業は危険であり重機も多いため、ヘルメット・安全靴の着用が必須です。安全靴の足先には鉄板が埋め込まれております。ここから分かるように、とにかく安全第一で行われています。

以上のように、北極海という大変厳しい環境の中で人間が安全に観測を行うためには、このような重装備が必要不可欠となります。

(文責:総合研究大学院大学 博士後期課程1年 三井 拓)