「みらい」はベーリング海の最初の海洋観測点に到着しました。

本航海で初めて測器を海に下ろし、海中の観測を行います (写真1)。海は穏やかで、船の揺れもなく、最初の観測点としては順調なすべりだしです。

ワイヤーで吊るされた測器を海中に下ろすことにより、海水の温度、塩分、光の強さ、溶存酸素濃度、植物プランクトン(クロロフィル)の量などを計測します。

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また、測器の周囲を覆う36本の大きな円筒に、さまざまな深さの海水を採取します (写真2)。海水はいろいろな成分を分析するため、大きな円筒から小さなボトルに小分けされます。

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分析項目ごとにボトルを準備し、買い物用のバスケットに入れられ、甲板上に並べられ、海水が上がってくるのを待ちます (写真3)。

その後、ボトルに小分けされた海水は船内の実験室で化学分析され、例えば硝酸やリン酸、ケイ酸など植物プランクトンの栄養となる成分 (栄養塩)の測定が行われます。海の水温、塩分、光環境、栄養塩の様子を知り、そこに住む生き物の形跡を探ることは、今変わりつつある地球環境の理解に欠かせません。このような海からの便りをたくさん集めて、環境変化に対する海や地球の叫びに耳を傾けたいと思います。

JAMSTEC 西野