8月30日,北緯63度,西経174度,ベーリング海の北端におります。

ここが今航海で採水をする初の観測点です。外気,海水温ともに10℃前後。この先の北極海を思うと、ぽかぽかよ…いえ、曇天です。ぽかぽか曇天。もちろん薄着では寒くなって参りました。

日本では強烈な台風10号が近づいている中ではございますが、洋上は波・風ともに穏やかで、観測日和です。最初の観測ということもあり、多くの船員さん、研究者並びに観測技術員が甲板上に出てきております。

2016-18-2

観測一連の流れを把握するためですね。採水器室(1) の前やバケツ採水(2) の場所には,ざっと15名の観測員。さて、次の観測点では、何名が残っていることでしょうか。。。

というのも、これからの観測は24時間体制で行われます。ずーっとは働けないので、船内では12時間の2交代制勤務となっています。次の観測点からは、半数はゆっくり休んで頂いた後、裏の12時間でみっちり働くことになるわけです。

2016-18-3

北極海での観測は今日から約3週間。充実した航海にしたいものです。航海の安全と成功を,読者の皆さまからも願って頂けると幸いでございます。改めましてよろしくお願いいたします。

杉江恒二(技術研究員) RCGC/IACE

(1):ニスキン採水器が36本掛かった採水システムを格納し,採水器から採水をするスペース。雨風はしのげるけど,寒いときは寒い。

(2):海の表面の水を採るのはバケツ。普通のバケツ。プラスチック製。