船は、北西北太平洋上の高気圧の西の縁に沿うような航路でベーリング海へと向かっています。

空は霧がかっていますが波は穏やかで、数日後から本格的に始まる海洋観測の準備を進めるのには悪くないコンディションです。今日は、海底設置型係留系に用いられる「切り離し装置」の水中通信テストを行いました。

この装置は、各種観測センサーを取り付けた係留系を回収するときに必要になります。せっかく貴重な観測データがセンサーに記録されていても、係留系が回収できないとデータを目にすることができません。また、機材を失うことでその後の観測計画にも影響がでてきます。

ですから、この装置の役割は重要で、確実な動作が期待されます。今回は予備を含む全ての機材でテストに成功しました。あとは、係留系が投入されて来年の航海で全て無事回収されることを祈るのみです。
 
文責: 小野寺丈尚太郎

(写真は海中に沈める金属フレームに切り離し装置(写真右下)を取り付ける様子)