みらいは台風の名残のうねりや強風の中、初日・2日目と北太平洋を航行しました。

船酔いする方が一番多いのはこの時期で、ここを乗り切ると、食欲と理想体型維持欲が激しい攻防を繰り広げながら来る観測への準備に熱が入るようになります。

我が国の酔い止め薬の頂点に君臨するのが「アネロン」です(写真)。でもアネロンの服用には超えなくてはいけない大きな障害があります。

プライドです。

飲んでいるところを誰かに見られたら恥ずかしい。

水産学部出身で、乗船経験豊富な私はそんな羞恥心を持ち合わせています。そのため、私は今まで北極航海でアネロンを飲んだことがありません。持参したこともありません。

本航海は低気圧活動とシンクロするように序盤にデスク作業が集中し、大荒れの海況の中、小さなパソコンの画面とにらめっこしていました。

極地研・佐藤さんに頭を下げました。

「一粒分けて下さい」

無事、作業ができました。

文責: 藤原