「みらい」北極航海では、空や海の観測だけでなく、海底の泥や生物の観測も実施しました。北海道大学が中心となり、泥や砂利といった海底の環境とそこに住む生物の種類や量との関係を明らかにするためです。

 海底の泥や生物はスミス・マッキンタイヤー採泥器 (写真1)で採取します。略してスミキンと呼ばれています。船からスミキンを海底に降ろし、海底の泥をつかみとる感じで採泥します。そして、その泥の中からはいろいろな生物が現れてきます (写真2, 3)。

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 この海底の生物たち、どうやら環境の変化で、次第に北方に移動しているらしいです。その原因は海底に降り積もる植物プランクトンにあるのではないかと北海道大学からの乗船研究者が話してくれました。北極海の環境変化が白クマや海生哺乳類だけでなく、海底にすむ生物たちにも影響を与えているようです。

JAMSTEC 西野