DSC 5604

氷の海を抜け、海面の水温にして3度くらいの温かい海域に戻ってきた「みらい」は、ここで定点観測に入ります。

ここまではうみを縦横無尽に駆けまわって、いわゆる「ライン」にそっての海洋観測を行ってきました。ラインにそって観測をすると、いわば海の断面図を作成することができますので、広域の海の構造が明らかになります。

しかしそれでは、同じ場所で海はどのように変化しているのかがわかりません。そこで定点観測を行い、同じ場所での変化をみるわけです。

海に十字を切って観測

ただし、完全に定点にしたのでは、周囲の環境がわかりにくいという面もありますので、定点といったも周囲に4点を設けて常に移動しながらの観測を行っています。気象班は X 点に戻るたびにラジオゾンデを放球することになっていて、だいぶルーチンにそった仕事になってきました。

Teiten

気象班としても、この定点観測には大きな意味があります。というのも、たとえば低気圧が通り過ぎる場合、自分自身も移動しながら観測するのと、じっととまって気圧の変化や、海の変化を見るのでは、記述できる現象が違うからです。

「みらい」では以前、移動中に低気圧に遭遇したケースがありましたので、今回は定点観測中に大物に出会えないかが一つの鍵になります。

DSC 5600

定点観測を始めて最初の数日は静穏な天気に囲まれ、このように波一つなく海が凪いでしまうこともありました。これはとてもめずらしい海の姿です。

しかし予報では南海上に小さな低気圧がやってきており、これから忙しくなりそうです。