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「みらい」には様々な海洋観測のための機械が積まれています。巨大なAフレームやウィンチ、ケーブルを巻き取る機材など、ごつい機械の見た目が好きな人にはたまりません。

なかでも目立つのが後部甲板に据え付けられているこのダイナコンです。CTD採水器を海に吊り下げるためのアームで、今航でも最も活躍している機械の一つですが、精度の高い観測を可能にするスグレモノなのだそうです。

精度高く、安全に

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こちらが CTD を海に吊り下げているところですが、このケーブルを巻き出した長さで海の表面からの深度を測り、正確な測定ができるようにしています。しかし波があったり船が揺れていたりすると、どうしても CTD 自体が上下して「深度10メートル」を測っているつもりでも誤差が生まれてしまいます。

ところがこのダイナコンは通常の CTD 吊り下げ機とは違い、こうした波による上下の効果をある程度打ち消して、気象状況が悪くても正確なデータがとれるように作られています。

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また、CTD 観測の際、最も危ないのは観測機器を船からおろしたり、積んだりする際です。揺れや風によって船体にぶつかったら大変です。あまり気象状況が悪い時には、観測を諦めなければいけないこともあります。

ダイナコンはここでも通常の機器と比べて特色をもっており、CTD を揚収する際にガチっとアームが上のリング部分を固定してくれるようになっています。

おかげで安全に、正確な観測を、比較的気象条件が厳しい時でもこなすことができるという、海洋地球研究船「みらい」自慢の設備です。