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気象班6名は当初12時間おきの観測で慣れたあと、すぐに3時間間隔、一日8回の連続観測に移行しました。

一日8回だけ?と思われるかもしれませんが、準備作業開始が気球を放球する30分前、放球後はちゃんと上空にいくかをモニターし、約1時間半後にゾンデが成層圏で観測終了となったのを確認してからデータをアーカイブ、電文を通信と、これだけで約2時間から、2時間半の作業です。つまり、休みなしというわけです。

オート放球と、手放球

そこで気象班は「昼ワッチ」と「夜ワッチ」と、二つの班に分かれて12時間交代で作業を分担しています。船内時間で午前3時から始まり、午後12時までの4回を昼班が、午後3時から午前0時までの4回を夜班がという具合です。

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毎回の観測は風との戦いです。風がどのくらい強いか、風速がどれだけあるか、その都度風力計を調べるだけでなく、吹き流しを目視で確認して調べます(二つには往々にして差があるからです)。

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風が左舷から来ている場合は、自動放球装置によって気球を飛ばします。このとき、船にお願いして左舷から風をもらえるように航路を変更する対応もとられます。

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風が強すぎる、あるいは他の作業で船が角度を変えられない場合は手放球、つまりは手で気球を飛ばします。従来は本当に手で気球を持って放り投げたのですが、風が強いと煽られて気球が割れてしまうこともありますので、こうした桶のような機材の中で気球をふくらませて飛ばします。

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まれに、実際に手で持って放り投げる場合もあります。注意しなければ繊細なセンサーが船体のいち部分に当たったり、海に落ちてしまって観測をやり直しということになりかねません。

刻一刻と変化する風に即座に対応しつつ、1日8回の観測は一ヶ月休みなく続けられます。