普段、アイスパイロットには、海氷を避ける航路についての助言を求めるのですが、今日は違います。「できるだけ海氷に近づいて観測したい。」-これが今日のリクエスト。海氷下や海氷の近くは水温・塩分が低く、周囲とは異なる海洋環境であるため、海水中の化学成分やそこに住むプランクトンたちも周囲とは違っているかも知れません。

2016-32-1

 「みらい」が航行できるのは、特別な場合を除き、海氷が薄く、海氷の占める割合が1/10以下の開放水面域。その中で、できるだけ大きな氷片がありそうな海域を教えてほしい。アイスパイロットは喜んで氷片探しに協力してくれました。

 アイスパイロットが提案してくれた海域に行くと、大きな氷片が十分な距離をおいて点在する安全でかつ観測可能な海域が広がっていました。我々は、そこに海洋測器を降ろし観測を開始ました。どんな結果が得られるのか、海洋測器が上がってくるのを待ちます 。

JAMSTEC 西野