2017年9月9日、アラスカ・バロー岬沖で係留系の回収と設置を行いました。係留系とは、海中に様々なセンサーや測器を係留して、海水の流れや水温、塩分、化学成分などの変化を長期間観測するシステムです。

今回は昨年設置した係留系の回収と再設置を行いました。回収した係留系のデータから海洋環境の1年間の変化 (季節変化)が分かるわけです。そして、この係留系観測を継続することで、海洋環境の年々の違いが明らかになり、気候変動との関係があぶり出されるのです。

係留系の回収・設置作業は、大型の機材をクレーンで移動させますので、天候や海況に大きく左右されます。また周辺海域で行われる捕鯨活動と干渉しないタイミングで行わなければなりません。そして、1年間海中に係留しているわけですから、流されてしまったり、機械が故障してしまったりで、回収できないリスクもあります(そのようなリスクを極力避けるため十分な検討・対策を行っています)。ですから、係留系の回収・設置作業は航海の山場でもあるわけです。

早朝7時半から作業を開始し、終了したのが18時過ぎ。長丁場でしたが、無事作業を終えた担当者達は笑顔でした。皆さん大変お疲れ様でした。