2017年9月2日、アラスカ州バロー岬沖の海中に1年間沈めておいた装置を回収することに見事成功しました。

その装置は、セジメント・トラップと呼ばれ、海中を沈降する粒子を円錐型の大型のコーンに集めます。この装置で捕らえられる粒子は、プランクトンなどの生物の死骸や砂・泥などの鉱物粒子です。

粒子を調べることにより、生物活動の季節変化や粒子が運ばれるメカニズムに迫ることができます。北極海では海氷減少に伴い、海の流れや生物活動が激変しているため、集められる粒子にも変化がみられるようです。セジメント・トラップは北極海の海洋環境の将来像を予測するうえでも大事な装置といえます。

この装置、1年間海中に放置されるわけですから、装置が流されたり、故障したりして回収できない可能性もあります。

それだけに、無事回収できた時は、担当研究者の顔に安堵の表情が広がります。船内も祝福ムードに染まります。今夜は祝杯かな?あっ、でもこの船、昼夜関係なく24時間観測するので、祝杯はまだまだ先になりそうです。