さて、ここで問題です。
地球上を大きく移動する船の上では、時計は何時を指すのがよいのでしょうか? 時として大きく東西に動き、時間帯をまたぐような場合は?
答えは「その船次第」といったところでしょうか。太平洋を横断する航路などの場合は、逐次時刻を変えてゆくのがよいかもしれませんが、今回の「みらい」航海のように長い期間、常に移動している場合はいちいち正確に時間帯を変えていると混乱のもとになります。
今回の「みらい」航海ではダッチハーバーを出港して多少東西を移動する観測になりますので、航海が始まってから3日間、夜10時になると1時間ずつ時計が後進するという措置がとられ、観測中はそこで固定することになっています。
地図にしてもわかりにくいのですが、出港した港とアンカレッジ、そして観測領域の位置関係はこのようになっています。
アンカレッジが GMT-8 時間ですが、そこから3時間後進ですので、現在船内は GMT-11 時間になります。日本時間に対して20時間遅れていますが、感覚的には日本時間に4時間を足していただいて、日付を一日遅らせれば、それが「みらい」の現在の船内時間です。
しかし、実際のところ「夜10時に時計が後進する」というとどうなるのかといいますと、夜10時になったとたん、船室内の時計の長針がゆっくりと巻き戻り、自動的に新しい船内時間に正確に合わされます。
動画で撮影してありますが、船内からはアップロードできませんので、これもまた帰国後にアップしたいと思います。