西野茂人

氷海域の水先案内人、アイスパイロット

「みらい」は耐氷能力を持った船ですが、砕氷船ではなく、氷海域では海氷の分布に注意して航行しなければなりません。 このとき、活躍するのがアイスパイロットです。アイスパイロットは氷海域の航海の経験者で、北極航海では必ず乗船してもらい、氷海域の安全航行を手助けしてくれます。 今回のアイスパイロットは、カナ... 続きを読む

北極海の生物のホットスポット

北極海には不思議な場所があります。毎年、観測を行っている秋季に、よくクジラや海鳥を見かけるアラスカ州・ホープ岬沖の海域です。 これまでの観測結果を詳しく調べてみると、その海域の海底60m付近の水は濁っていて、酸素濃度が低く、植物プランクトンの栄養となる成分 (栄養塩)の濃度が高いことが分かりました。 海底や... 続きを読む

海からの便り

 「みらい」はベーリング海の最初の海洋観測点に到着しました。 本航海で初めて測器を海に下ろし、海中の観測を行います (写真1)。海は穏やかで、船の揺れもなく、最初の観測点としては順調なすべりだしです。 ワイヤーで吊るされた測器を海中に下ろすことにより、海水の温度、塩分、光の強さ、溶存酸素濃度、植物プランクト... 続きを読む

「8月27B日」船内での日付変更線の扱い

 「みらい」は霧のかかったベーリング海を観測点に向けて航行中。写真の日付は「8月27B日」です。この、27B日って何でしょう? この写真がとられたのは2回目の8月27日、それを船内では8月27B日と呼んでいます。感のいい皆さんはお分かりだと思いますが、「みらい」はベーリング海航行中に日付変更線を西から東へ越えるの... 続きを読む
西野茂人

西野茂人

JAMSTEC(海洋研究開発機構)で北極海の観測研究に従事。ここ数年は毎年のようにJAMSTECの海洋地球研究船「みらい」による北極航海に参加。2013年、2015年、2016年は「みらい」北極航海の首席研究員を務める。カナダ砕氷船の北極航海にも参加経験あり。地球温暖化や海氷減少に伴う北極海の物理・化学環境の変化と生態系への影響につての研究を進めている。