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北極海はふつう夏でも曇り空が多く、現地では「ウィリワウ」と呼ばれる突然の冷たい空気や雨という特徴がありますが、今年の航海の最初の数日間はめずらしいほどの晴天に恵まれました。

晴天となると、短い夜の時間を彩るのがオーロラです。今回はベーリング海峡において2日連続で見事なオーロラをみることができ、乗船者たちの目を楽しませてくれました。IMG 0644

オーロラは最初みていると、夜の雲かと見まごうのですが、じっと見つめていると位置を変えることなく形が変化してゆくので、雲ではないなにかだということがわかります。

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そういっているうちに、見上げれば水平線から水平線まで、オーロラがつながって行く手のそらを飾ります。

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こちらは2日目にみたオーロラの写真からです。二日目はさらに光のカーテンが何重にもなって幻想的な雰囲気になっていました。

ところで揺れる船の上からオーロラを撮影するのは至難の業です。オーロラ自体はほのかな光しか放ちませんので、露光時間を長くしなければいけませんが、その間も船は揺れ動いています。

この写真は実はコンパクトデジタルカメラの星空モードを利用して、利用できないコマを除外するなどのデジタル処理で撮影しています。

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陸上にいてもなかなかみることのできないオーロラを2日連続で、しかもこれほど雄大に視野の限りに広がるところをみることができるのは、船の上だからこそといえるでしょう。

オーロラはほんの数時間、北の空を踊ると、早くも明け始めた水平線の明かりにかき消されて消えていきました。ここから本格的な北極が始まります。