DSC 5249

「北極って寒いのですか?」という、一見当たり前のような質問をうけますが、今は夏、北極も零下何十度という極寒になるわけではありません。

現在の甲板での気温は、ここ数日ちょっと暖かい日が続いていて 1.9 度ほど。しかし風が吹き、霧雨が降り始めると、これでも作業には辛くなります。

そこで活躍するのが気象班全員おそろいの防寒服です。

雨と風を通さない防寒服

上の写真に私が写っていますが、防寒服は雨・風を通さないようにジッパーの上からもさらにベルクロで被せる部分があります。また、襟の部分を立てて、耳を覆い、口元も隠すことができます。これだけでも風が強い時には非常に助かります。

ポケットは内部が皮膜に覆われていて水を通さず、ポケット自体も水がなかに入りにくいような構造をしています。

DSC 5057

防寒服のもう一つの大事な特徴は水を通さないことです。濡れた甲板に膝を落として作業したり、濡れたものと触れるたびに水で冷たくなっていたのではあっという間に体温が奪われるからです。

上下がつなぎになった防寒服もありますが、今回我々が使用しているのは上下がセパレートのタイプ。これを着て、手袋をしめ、風が入ってくる袖の部分のベルトを締めれば、外気と直接触れているのは顔の一部分くらいになって非常に暖かく、楽に作業ができます。

これに万が一転んだ場合のためのヘルメットを装着するのが、3時間に一度の気象班のいでたちです。とはいえ、手袋から、足元から、しだいに冷えてくるので長時間の甲板作業はなるべく避けるのが賢明なのですが。